メトロポリタン・トロント


トロント市周辺地域を含めたグレータートロントの人口は約475万人で、このうち全体の約40%が移民が占め、日常的に約170の
言語が話されている。 市民の3分の1が英語と自国語を使い分けて暮らしており、英語とフランス語以外で1番多く話されている
言語は、中国語(広東語)、イタリア語、ポルトガル語と続いている。 トロントの人口の約50%は外国生まれとなっており、共存
共栄を信条とする「マルチカルチャー」国家を代表する国際都市を形成している。 現在の移民の分布はヨーロッパ41%、アメリカ
16%、オセアニア1%、アジア37%、アフリカ5%となっているが、近年10年間に移民して来た人たちの出身地を見ると、アジア
60%、アメリカ16%、ヨーロッパ17%、アフリカ7%、オセアニア1%となっており、アジア系である中国、特に香港からの移民が
著しく増えいる。 この統計を証明するように、トロントには各国のコミュニティーが沢山ある。 特にイタリア人街は世界最大で、
ギリシャ人街も広範囲に繁栄している。 

トロントがここまで多民族都市として発展した背景には、カナダ連邦政府が移民や難民の受け入れを奨励している事が挙げられる。
近年の5年間には、カナダへの移民約104万人のうち、約45万人がトロントへと移民している。 1997年を例に挙げると、1年間
に8万人の移民を世界169カ国から受け入れている。 既に多民族が集まっているトロント社会では、それぞれの文化を尊重し
合い、モザイク共存文化を形成しているため、新移住者には暮らしやすい環境が整っている。

移民者を支援する1つの政策として、カナダ政府は「セトルメント・コスト(Settlement Cost)」という補助金を設けている。 これは、
住居や仕事探し、英語の教育費や子供の教育費、新しい文化や生活に慣れるための費用として新移住者が申請出来るもので、
トロントはこの補助金が1番多く使われている都市でもある。 医療面でもトロントの救急医療サービスは24時間体制で140カ国語
に対応出来るサービスを行っている。

世界中至るところにチャイナタウンはあるが、イギリス連邦の一員でもあるカナダには、以前から香港系の住民が多かった。
それに加えて1997年、イギリス領だった香港が中国へと返還され、その前後には香港からの新移民者数が激増した。 トロントの
チャイナタウンはサンフランシスコに次いで世界第2位の規模を誇り、日常的にも広東語が使用されているため、さながら香港へ
迷い込んだ気分になれる。 世界広しといえど、1つの街の中で世界1周を体験出来るのはメトロポリタン・トロントだけである。



canada   top